こんなところに中華があったんだと思った。
お店に入ると三本松公園がみえる席に案内された。
木が生い茂っていって、涼しげな景色をみることができる。
源さん晩酌セット ¥1,300
(前菜三種、水餃子か焼き餃子一皿、アルコール一杯)の貼り紙が輝いていたので、それを頼んだ。
隣の席ではマダム2人が純粋に中華を楽しんでいるといった雰囲気で
奥の座敷で青年たちの宴会が始まっていた。
なんとなく遠くに来たみたいな気分だった。
晩酌セットの前菜はとても豪華だった。
きらきらしていた。
源さんのメニューは町中華というよりホテルに入っているような中華料理(中国料理?)っぽい。
春餅¥1,100円も追加注文した。
春餅はずっと前に大連で食べたことがあった。
クレープみたいな薄い生地におかずを包んで食べる。
そのときにはおかずにじゃがいものきんぴらもあって、それもまたおいしかった。
なんだか漠然と日本では食べられないだろうなあと思いながらむしゃむしゃ頬張っていた。
そのとき以来の再会だった。
珍しい!とはしゃいで注文したのだが、
目の前のきらきらした前菜をつまみにビールを飲んでいると
日本でも高級な中華のお店には普通にメニューに並んでいるんじゃないか?
と思えてきた。
隣の優雅なマダムたちの存在がその仮説に説得力をもって迫ってくるような気がした。
わたしがそういうお店を選んでいないだけだ。
思えば、大連で友人に連れていったお店は食堂というよりよそ行きの店だった。
中国でも日本でいったら懐石料理的な立ち位置の店にあるものなのかもしれない。
本当のところはどうかわからないけれど、
世界はまだまだ知らないことばっかだなと思った。
日の沈んでいく公園を眺めながら春餅を巻いた。
いつの間にか隣のマダムたちは帰っていた。
一方で奥の青年たちの宴会はどんどん下品な話題で盛り上がってきていた。
普段踏み入らない世界にきたのだと思った。
●源さん晩酌セット ¥1,300
前菜三種、餃子、生ビール
●春餅 ¥1,100
●生ビール ¥550
¥2,960 - ¥2,950 = ¥10